[どこよりも詳しくわかりやすい?!]生物解説パート④-代謝とATP、酵素について

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代謝について

生体内では、物質の合成や分解が行われています。そのように物質の変化のことを代謝といいます。代謝の中でも、エネルギーの吸収するような反応を特に同化といい、エネルギーを放出する反応を異化といいます。

独立栄養生物と従属栄養生物

独立栄養生物とは、外界から取り入れた無機物を有機物に合成する生物のことです。

従属栄養生物とは、生物が同化した有機物を直接、または間接的に取り入れる生物のことをいいます。

ATPとは

ATPとは、アデノシン3リン酸のことであり、アデノシンに3分子のリン酸が結合した化合物です。生体内のエネルギーの通貨として重要な物質であり、あらゆる生体内のエネルギーはこれに変換され、使われています。

なぜ、このATPはエネルギーの通貨として使われるのでしょう?この理由としては、リン酸同士の結合部分に多くのエネルギーが含まれており、それが切れるときに大量のエネルギーを放出するからです。このことを高エネルギーリン酸結合といいます。この結合は、ATP1分子に対して2つなので気を付けておきましょう。

酵素について

自身は変化することなく、化学反応の速度を大きくする物質を触媒といいます。酵素は、生体内で働く触媒であり、タンパク質でできています。酵素が作用する物質のことを基質といいます。

酵素分子内の基質と結合する部分は活性部位といいます。酵素は、その活性部位とぴったり結合する特定の基質のみに作用します。その性質を基質特異性といいます。

酵素は基質と結合して、酵素基質結合体となり、基質に作用します。その後、基質が生成物となり、酵素から離れます。

活性化エネルギーとは

活性化エネルギーとは、物質が化学反応しやすい活性化状態に変わるのに必要なエネルギーのことです。この活性化エネルギーは、酵素があることによって下げられ、化学反応が起きやすくなります。

酵素の反応と外的条件

酵素の働きは、温度やpHなど外的条件の影響を受けやすいです。反応速度が最大となる温度のことを最適温度といいます。反応速度が最大となるpHのことを最適pHといいます。

無機触媒では、温度が上がれば上がるほど分子の運動が激しくなり、反応が活発になります。しかし、酵素の場合だと、酵素はタンパク質でできているので温度が一定以上になると変性してしまいます。このことにより、酵素は基質と結合できなくなり酵素として働けなくなります。このことを失活といいます。

酵素の反応速度

酵素の反応速度で一番重要なのは、酵素基質複合体になっている酵素の数です。酵素基質複合体の数が多ければ多いほど反応速度が速くなります。

酵素基質複合体の数を考えるうえで重要なことは、酵素と基質のペアです。どちらかのみを多くしてもペアができなくなった時点で反応速度は大きくなりません。どちらも増えれば、増え続けます。

酵素反応に対する阻害

競争的阻害

基質と似たような構造を持つほかの物質がある場合、酵素の活性部位にその物質が結合し、基質が結合できなくなります。そうなると、反応速度が下がってしまいます。このように阻害を受けることを競争的阻害といいます。

競争的阻害は、基質と阻害物質の濃度の比によって反応速度の低下の影響が変わります。この理由としては、基質と阻害物質が同じ場所に結合するため、基質の濃度が高いと阻害を受けずらいからです。

非競争的阻害

非競争的阻害は、阻害物質が酵素の活性部位とは違うところに結合します。そして、阻害物質が結合することで、酵素の活性部位が変化します。そうすると、酵素が基質に作用できなくなります。

非競争的阻害では、基質の濃度に関係なく阻害の影響を受けます。この理由としては、阻害物質は基質とは違う部分に結合し、活性部位を変化させるからです。

アロステリック酵素

アロステリック酵素とは、アロステリック部位という部分を持ち、そこに物質が結合すると活性部位が化学的に変化する酵素のことを言います。アロステリック酵素では、反応速度の変化を表す曲線はS字型となります。

フィードバック調整

フィードバック調整とは、反応の結果によって出来上がった物質がさかのぼって原因に作用する仕組みをいいます。その作用が反応を促進するなら、正のフィードバック調整、反応を阻害するなら負のフィードバック調整といいます。

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