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[どこよりも詳しくわかりやすい?!]生物解説パート②-細胞膜の働き・輸送について

細胞膜の構造

細胞膜は、リン脂質の二重層中にタンパク質がモザイク状に分布した構造を持ちます。細胞膜に存在するリン脂質やタンパク質は、水平方向に移動したり、回転したりすることができます。そのことを流動モザイクモデルといいます。

リン脂質は親水部と疎水部に分けられ、親水部を外側に、疎水部を内側にして2重層になっています。この理由としては、親水部とは水となじみやすいところで、疎水部は水となじみにくい油のような構造を持っているため、親水部が外の水分となじみやすいように外側になっているのです。

受動輸送と能動輸送

受動輸送

細胞膜の両側の濃度勾配に従って、物質が移動する現象を受動輸送といいます。受動輸送はエネルギーを必要としません。受動輸送には輸送たんぱく質を必要としない単純拡散と、輸送たんぱく質を介する促進拡散があります。

単純拡散では、小さい分子や脂溶性分子を通過させます。大きい分子やイオンはほとんど通過することがありません。

促進拡散には、輸送体によるものとチャネルによるものとがあります。輸送体によるものの有名な例には、グルコース輸送体が挙げられます。

チャネルはイオンの多くを通過させる役割を持っています。チャネルは刺激を与えると、開き受動輸送を行えるようにします。その刺激には、電流や神経伝達物質などがあります。特に、水分子を通過させるチャネルをアクアポリンといいます。

能動輸送

膜の両側の濃度勾配に逆らって、物質が移動する現象を能動輸送といいます。能動輸送には、エネルギーが必要であり、ATPやほかの物質の濃度勾配などがエネルギーとして使われます。

ATPなどのエネルギーを直接消費する能動輸送は、1次能動輸送と言われています。特に有名な例でいうと、ナトリウムイオン‐カリウムイオン‐ATPアーゼという輸送体によって、行われるナトリウムポンプという仕組みです。このナトリウムポンプという仕組みでは、細胞内のナトリウムイオン分子を3分し外に放出し、細胞外のカリウムイオン分子を2分子中に取り込みます。そのため、細胞内のカリウムイオン分子が高くなり、ナトリウムイオン分子の濃度は低くなります

1次能動輸送によって作られた物質の濃度勾配というエネルギーを利用して、能動輸送を行うことを2次能動輸送と言います。これはあまり出てくることはありませんが、小腸のグルコースの吸収の時に出てくることがあるので、頭の片隅に置いておきましょう。

エキソサイトーシスとエンドサイトーシス

細胞では、上記で説明したような輸送たんぱく質などを介さず、細胞膜の流動性を利用して物質の取り込みや放出が行われています。

エキソサイトーシスは細胞内の物質(ホルモンや消化酵素など)を細胞外に放出する際に行われるものです。一方で、エンドサイトーシスは細胞の外の物質を中に取り込むときに行われるものです。白血球の異物処理などで使われることがあります。

膜受容体

膜受容体には3つの型があります。めったに問われることはありませんが、実際に私立大学の入試で問われたことがありました。そのため、軽く確認しておくとよいでしょう。

イオンチャネル型

シグナル分子が受容体に結合すると、イオンチャネルが開き、イオンが細胞内に流入して情報が細胞にいに伝えられる仕組みの受容体です。

酵素型

シグナル分子が受容体に結合すると、一緒についている酵素が活性化されて基質にリン酸を結合させる反応を触媒します。細胞は、基質にリン酸がついていることを検知して、受容体にシグナル分子がついたことを感知しています。

Gタンパク質共役型

この受容体にシグナル分子が結合すると、受容体にあるGタンパク質というものが活性化します。そのGタンパク質は受容体から離れ、他の酵素やイオンチャネルなどの活性を変化させます。

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